塩崎厚労大臣定例記者会見 H27.12.8

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/277887

電話もつながらず、面会アポは門前払いの製薬企業

11月25日、冷たい雨が降るなか、子宮頸がんワクチンの被害を訴える家族らが製薬会社のグラクソ・スミスクライン社とMSD社の本社前で、涙ながらに救済と対話を求めた。しかし、担当者は姿を見せず、面会の約束をとりつけることも叶わなかった。被害者家族が会社側に教えられた番号に電話をかけても、一向につながらないという。

一方で塩崎大臣は12月1日、同連絡会に登録している家族4組と約10分ずつ面談し、ワクチン接種後の状況や要望などについて、個別に話を聞いた。

「大臣は個別に面談されたが、製薬メーカー2社については、被害者の方々が電話もつながらない、直接出かけて行っても門前払いと訴えている。この企業の対応について、どのように考えるか?」——IWJの質問に、塩崎大臣は「民間の企業のことですから、私どもが右だ、左だと言う話ではございませんが……」と前置きしつつも、「やはり国民とのコミュニケーションが大事だということは基本として、製薬メーカーの皆さんにも押さえていただきたい」と話し、2社の対応に苦言を呈した。

厚労省補助金による子宮頸がんワクチン研究班 「人選に偏り」との批判に塩崎大臣「バランスをとる」

またIWJは、厚労省の補助金で進められようとしている「HPVワクチンの有効性と安全性に関する疫学研究」メンバーに、深刻な副反応の治療にあたってきた医師が加わっていないことについて、「全国子宮頸がん副反応被害者連絡会」(松藤美香代表)と「薬害オンブズパースン会議」(鈴木利宏廣代表)が、「人選に偏りがある」として変更を求めている件で、塩崎大臣の見解を聞いた。

塩崎大臣は具体策については明言を避けたものの、「(研究班)メンバーの話はご要望がございまして、それについては『バランスをとる』と申し上げたところでございますので、そのようにしてまいりたい」と話し、現状の人選に何らかの変更を加える考えを示した。

国のワクチン産業政策を揺るがす事態に危機感か

塩崎大臣は答弁中、「副反応」「副作用」「被害」などの言葉を使用しないよう、慎重に話した。

「HPVワクチンを受けられて、その後、有害事象が発生したご本人4名と保護者の方から10分程度ずつお話を聞かせていただきました。貴重な機会だったと思います」。

「有害事象」とは、ワクチン接種など薬との因果関係が必ずしも証明されていないものの、薬によって起きている可能性も否定できない、接種後に起きる好ましくない症状を示す言葉だ。副反応であるともないとも言い切れない、という意味合いである。

しかし、厚労省は、血液製剤とワクチンの有力メーカーである化学及血清療法研究所(化血研)が40年以上も不正な方法で製造し、かつ、組織ぐるみで続けていた隠ぺい工作が見抜けずにいたことが明らかになったばかり。

会見でも、朝日新聞記者から国の責任を問われ、塩崎大臣は「大いに反省しなければならない」として再発防止策の検討を約束すると同時に、「血液製剤やワクチンの国民に対する信頼を裏切ってしまっていることは大変残念」「日本はワクチン産業をどうするのだ、ということを考えていかなければならない」と言及している。

ワクチンに対する不安、そして化血研の不正を放置した厚労省に対する懸念が膨れ上がっている今、子宮頸がんワクチンの副反応についても、従来の煮え切らない姿勢のままでは、国民の不信を払拭するのは難しいだろう。

(取材・文:太田美智子)

コメントは受け付けていません。

← 戻る